<インチアップの重量増も相殺できたホイール交換>
愛車へのオリジナリティ引き出し、
タイヤ変更&インチアップがもたらす効果の確認
といった狙いから
足まわりノーマルのままで取り組んだタイヤ&ホイール交換。
前回のブログで紹介したように
軽量かつ高剛性な1P鍛造で
オプションカラーが新たに設定された
レイズ・ボルクレーシングTE37SB
8J×18・30
https://www.rayswheels.co.jp/products/wheel.php?lang=ja&wheel=TE37SB
デモカー履きでよく見かける
ハンコック・VENTUS V12 evo2
225/50R18 99Y XL規格
https://www.hankooktire.com/jp/passenger-cars/hankook-ventus-v12-evo2-k120.html
をチョイス。
スポーティな足もとをカッコ良くまとめるべく
ロックナットの違和感がカラバリ豊富なアルミシェルで解消できる
ESSEX・2PCシェルナット(ローレット/ブラック)
https://www.essex-japan.com/lineup/category/accessary/
とともに履きこなしてみました。
ここで気になるのは、
インチアップ後の重量はどうなのかという部分です。
純正サイズは6J×15&195/80R15なので、
8J×18&225/50R18へとサイズアップすれば
通常なら重量増は間違いなし。
ただ、200系ハイエースの純正ホイールはスチール。
6.5J×17で約7.5㎏という軽さを引き出したTE37SBなら
同等レベルの重さに持ち込めているかもと期待しつつ、
重量を測ってみます。
気になる結果は
TE37SB単体……8.6㎏
V12evo2単体……11.2㎏
組み付け状態……19.8㎏
純正ホイール組み付け状態……21.8㎏
驚くことに、インチアップしても一本あたり2㎏のシェイプアップ!
耐荷重性と引き換えに重くなるであろうLTタイヤを
乗用タイヤへ変更したこともあるのでしょうが、
運動性能に影響するバネ下重量が
インチアップ後にここまで軽減できるとは
思ってもいませんでした。
鍛造1Pの高剛性かつ軽量なスポーツホイールとして絶大なる支持を誇るボルクレーシングTE37。箱車向けでラインアップされるTE37SBも8J×18が8.6㎏と非常に軽量で、うちに届いた箱を受け取った瞬間に「軽っ!!」と思わず口に出ました。
ちなみに軽さよりも足元魅せへこだわったら
どれぐらいの重量影響が出るのか気になり、
CRSさんに在庫ホイールの重量測定をお願いしてみました。
サイズは異なるのでTE37SBと純粋比較できませんが
ESSEX・ENCM 2ピース 9J×18・25
グッドイヤー・イーグルLSエグゼ 225/45R18
だと、組み付け重量は22.9㎏とのこと
ディスクデザインや駄肉処理でも重量は変わってきますが
9Jの2ピースで純正比1.1㎏増へ抑制されているので
純正の足もとが重量級の200系なら
インチアップ時の重量増をあまり気にしなくて良さそうです。
今回は計測できませんでしたが
今後機会があれば、同じタイヤサイズで
乗用タイヤ、LTタイヤの重量比較もおこなってみますね。
<インチアップ後の乗り味変化はいかに!?>
サイドウォールがイッ気に薄くなったことから
フェンダーとのクリアランスがノーマル時よりも強調され、
腰高感こそ少し増してしまいましたが、
フェイス2の深みでドッシリとした感じに仕上がった愛車。
乗り味がどのように変わったのかを確かめようとして、
しばし悩んだのが空気圧です。
ワゴンGL 2WDの純正指定は
フロント3.25㎏/㎠、リヤ3㎏/㎠。
真横の写真でフェンダークリアランスを見るとわかりやすいのですが、フル乗車での沈み込みを考えてかワゴンGLのノーマルは前下がりな車高。エンジンの重さでフロントタイヤへけっこうな荷重がかかっていることもあって、フロントのみ高めの空気圧指定となっています。
でもインチアップ後は
サイズも違えば、タイヤも違う。
サイドウォール表記には
最大340KPAと記載されているので
タイヤ性能を活かすなら
3.4㎏/㎠までで好みを探っていくのがいいのですが
基準値をどこにしよう……。
そこでハイエースカスタムのスペシャリストである
CRS松本さんに目安となる空気圧を相談したところ、
「ベース車の車重や好みにもよりますが、
乗用タイヤで 18インチなら
前後3㎏/㎠基準で調整していきますね」
とのアドバイスをもらいました。
というワケで、まずは前後3㎏/㎠からスタート。
まず、気になる乗り心地に関しては
走り出しからゴツゴツと常に硬さ感じていたLTタイヤに対し、
50扁平でサイドウォールが大幅に薄くなりつつも
トレッドやサイドウォールが柔らかい乗用タイヤの効果か
全体的に角の取れた硬さでマイルドになった印象。
18インチ=乗り心地悪化と思われる方も多いでしょうが、
純正LTから18インチ乗用への履き替えだと
神経質にならなくて大丈夫です。
履き替え時に純正タイヤをチェック。1万㎞以上走行していますが、ほぼ減っていません。タイヤサイズは195サイズですが接地していたと思われる汚れたトレッド部分を計測すると、指定空気圧でも145㎝。コーナリングで荷重がかかればタイヤが潰れてもう少し幅も増えるでしょうが、グリップ性能だけで考えれば物足りないですね。
また、ステア操作時の応答性は
50扁平でたわみの少ないサイドウォールと
TE37SBのホイール剛性高さが相まってレスポンス良く、
225サイズへワイド化したタイヤ幅で
コーナリング時の安定感も高まりました。
もちろん、バネ下重量が純正よりも軽くなっていることもあって、
出足の悪さや細かなギャップを越えてのドタバタ感も皆無です。
ロードノイズに関しては
少し静かになった感じもするのですけど
遮音性の低い200系では
スピードが出るほど風切り音のほうがうるさいので
個人的には大差なしといった印象でしたね。
ただ、サイズ拡大とグリップ力向上の副作用として
アクセルオフ時の減速感、つまり転がり抵抗は
純正タイヤよりも強く感じるようになりました。
慣れてくるとまったく問題ないのですが
前方が赤信号になっていて
手前からアクセルを完全に抜けば
イメージよりも少し手前で停止寸前になるような感覚。
このへんは空気圧を少し引き上げてやるだけで
抵抗加減も変わってくるでしょうし、
同じ乗用タイヤでもエコ系タイヤを選んでいれば
転がり抵抗を感じないはずです。
<わずかな差でも印象が変わる空気圧>
自転車でイメージしてもらうとわかりやすいかなと思うのですが
タイヤの空気圧で乗り心地や走りは大きく変わります。
適正範囲という前提で大まかに説明すると
空気圧が低いと
・タイヤの接地面積が増えてグリップ力が高い
・サイドウォールが積極的に衝撃吸収して乗り心地○
といったメリットがある一方、
・グリップ力が高い分だけ抵抗=エンジンの力が必要で燃費も↓
・サイドウォールが積極的にたわむためハンドリング初期の遅れ感
・段差などで強い衝撃を受けるとホイールにダメージが及ぶ
といった感じ
空気圧が高いと
・接地面積が減って走り出しが軽快、燃費も向上
・ハンドリング初期の応答性アップ
といったメリットがある一方、
・サイドウォールの衝撃吸収力が低くてゴツゴツとした乗り心地
・接地面積が減る分、コーナリングなどでグリップに物足りなさ
といった感じですね。
エア3㎏/㎠で段差でのタイヤ潰れ具合を確認。タイヤ全体で受けるような形だと大きくは潰れませんが、片側だけで荷重を受けるような形だとサイドウォールが柔らかい乗用タイヤなので想像以上に潰れていきます。これぐらいならホイールへのダメージは避けられると思いますが、3㎏/㎠以下だと不安ですね。
僕の場合は前後3㎏/㎠を基準にして
そこから好みを少し探ってみました。
試した順で簡単にインプレすると
■前後2.8㎏/㎠■
乗り心地だけで考えれば、硬さもほぼ感じず◎。
ただ、直進状態でも横風受けると左右方向のヨレを感じやすく、
ハンドリングも常にワンテンポ遅れる。
さらに段差があるとサイドウォールが大きく潰れるので
路面状況の悪いシーンを走行する際にはホイールへのダメージ不安は大きい。
■前後3.3㎏/㎠■
ハンドリングは軽快になったものの、
ちょっとした路面の継ぎ目もハッキリわかるほどの硬さ。
ギャップが連続すると「乗り心地悪いなぁ」と強く意識させられました。
グリップ力に関しては
コーナーを攻めるわけじゃないので不安なし。
■フロント3.1㎏/㎠ リヤ3㎏/㎠■
2.8㎏/㎠と3.3㎏/㎠の印象を確かめたうえで
フロントはハンドリングの頼もしさやホイールのガード性高めつつ
ある程度乗り心地にも配慮した3.1㎏/㎠、
リヤは荷重が少ないので、3㎏/㎠にしてみました。
自分の好みとしては、これがベストな空気圧。
少し硬さは残りますが運転している分には気になりませんし、
リヤシートに座った家族からもに硬さへの苦情はなし。
荷重が少ないリヤなら2.8㎏/㎠まで落としても良かったのですが、
恐らくコーナリングでリヤのヨレ感が強くなると思います。
ピントぼけてますが、正面気味に見ればわかりやすいと思います。空気圧が低ければタイヤは潰れて接地面積は広がり、空気圧が高ければタイヤは中央部中心にして左右が浮き上がるような感じの接地面積。適正値から大きく外れていれば、センターだけが減ったり、両サイドだけ減ったりと偏摩耗にもつながりますから注意してください。
というワケで
個人的に大好きなラーメンの麺で例えるなら
VENTUS V12 evo2の場合は
2.8㎏/㎠が柔め、3㎏/㎠が普通、
3.1㎏/㎠が硬め、3.3㎏/㎠だと針金や粉落としといった感じ。
硬さだけでなくコシのあるタイヤを目指して、
空気圧を色々変えてみるのも面白いですよ。
ちなみにタイヤが減ってくれば
トレッド面での衝撃吸収性能が落ちるので
乗り心地は硬く感じます。
早めのタイヤ交換、もしくは空気圧を少し下げる
といった対処を施していきましょう。
タイヤ交換後、すでに1万㎞弱走行しました。腰高な箱車ということもあってショルダーにどうしても負担はかかってしまいますが、減り具合もキレイで耐摩耗性も高め。ウエット性能も高く、安心して走行することが出来ています。
<空気圧管理の重要性>
今回のブログで
「愛車の空気圧いじってみようかな」と
思われた方もいるかと思います。
そこで僕がイチ押ししたいのは
Myエアゲージもしくは
TPMS(タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム)の導入。
僕はDIY用にコンプレッサーを持っているので、空気圧管理はエア充填できるタイプを使っています。精度重視なら高額になりますけど、安価なタイプでも精度の高いエアゲージで測定した後に誤差を確認しておけば問題なし。3000円前後の携帯性に優れたタイプでいいですから、愛車にひとつ乗せておきたいですね。余談ですがガソリンスタンドのエアゲージって高く表示したり、低く表示したりバラツキあるので、同じ場所で充填してMyエアゲージで一度誤差チェックしておくと安心です。
少ししぼんだ風船でも少し暖めれば張りが出るように
タイヤの空気圧だって
温度や大気圧で簡単に変化します。
空気の自然減少は無視して説明すると、
夏に3.1㎏/㎠で揃えていたとしても、
気温が低い冬なら2.9㎏/㎠ほどになっているはず。
また、その状態で山道を下るような乗り方で
フロントタイヤばかりガンガン荷重をかけていけば、
タイヤの発熱影響でフロントは3.1㎏/㎠、
さほど荷重がかかっていないリヤは3㎏/㎠
といった感じになります。
メーカーの指定空気圧は
常温を意味する冷間値でのものですが、
ガソリンスタンドやショップでタイヤにエア充填するなら
走行で熱が加わった温間値。
下がり幅も見越してこまめに空気圧管理するのもありですが
気になった時に空気圧が測定できるMyエアゲージか
ホイールのバルブ部分にセンサーを取り付けて
リアルタイムに四輪の空気圧がモニターできるTPMSを
上手に使っていきましょう。
空気圧が多少下がっていても
サイドウォール剛性のある低扁平タイヤって
見た目だとわかりにくいです。
テストがてらフロントタイヤの空気圧を抜いていってサイドウォールの潰れ具合を比較してみました。(左からエア3㎏/㎠、2.5㎏/㎠、2㎏/㎠、1㎏/㎠です) 1㎏/㎠だと明らかな潰れ具合ですが、2㎏/㎠程度だと見落としてしまう可能性も十分あります。サイドの潰れ方で空気圧が大丈夫か判断せず、しっかり数値管理していきたいですね。
エアゲージやTPMSはいいやという方でも
給油時など定期的に空気圧チェックする習慣をつけておくと
空気圧の管理不足から生じるバーストやパンク、
ホイールダメージは避けられますから
覚えておいてください。
さて、
次回はいよいよローダウン……ではなく、
あえてノーマル車高のまま
足の動きをダンパー交換で〝改〟適にしてみたいと思います。
ご期待ください。
Kカーからトラックまでチューニング、ドレスアップ問わずにカスタムされた乗り物大好きなフリーライター。カスタムは楽しければOK、1+1=2ではなく0にも4にもなるのがクルマいじりの魅力だと考えています。今回マイカーとして購入した200系では、いちオーナーとして気になるアイテムがどうなのかや不満&疑問解決なんかに取り組んでみます。「こんな不満を解消するにはどうしたらいいの?」とか「このアイテムが気になるからわかりやすく知りたい」といったリクエスト、絶賛受付中!
四馬力
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