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ハイエース 乗り心地改善カスタム 安定感のある走りを求めて 第6章-1

 

ノーマルをしっかり味わって不満改善へ着手

 

トーションバーやリーフスプリングを使った商用車だから、

乗り心地やハンドリングはイマイチだし、走りも不安定。

これが200系に対する世間一般の評価ですよね。

 

もちろん、そうした不満を改善するための足まわりパーツは

走りにこだわるスポーツ系車種でも勝てないぐらい

充実したラインアップを誇っています。

 

僕がこれまでハイエース本で仕事させてもらった時も

乗り心地へこだわったコンフォート仕様から

ハンドリングのリニアさにこだわったスポーティ仕様まで

各メーカーさんやショップさんが

足まわりへこだわりぬいたデモカーを

数え切れないほど試乗させてもらいました。

 

そうした経験をフル活用して

自分の好みに合いそうなパーツをチョイスして

理想へ近づけていくのは簡単なんですが、

一気に仕上げるのではなく

どんなパーツを投入したらどんな効果が得られたか

他の200系ユーザーにも参考となるよう

じっくり検証してみたい。

 

そこで1年間にわたってノーマルを乗り続け、

色んなシチュエーションで走りをチェックしました。

「足まわりは好みや乗り方によって正解が簡単に変わる」

という持論は崩さずに

自分なりに感じた不満をどのように対処していけばいいか、

いよいよ行動開始です。

 

 

走りの不安定さはなにが原因?

 

さて、200系ワゴンGLを愛車に迎えて、

僕が感じた走りの不満。

それはもう、乗り心地からハンドリングまで

簡単には書ききれないほど(苦笑)。

でも、一番気になったのは高速道路での不安定さでした。

 

症状としては、のんびり巡航していても簡単にフラついて

ステアリングを片手を添えている程度だと

気付かぬうちに車線をはみ出しそうになって

レーンディパーチャーアラートが鳴る始末。

 

ボディ面積が大きい箱車の腰高車高、

さらに足まわりはノーマルとフラつく要素満載ですけど、

トラックなんかも運転してきた自分の感覚としては

重量級ボディだと遅いけどドッシリとした走りのイメージ。

同じノーマル+αで乗っていたアルファードでも

足まわり構造や駆動方式が違うとはいえ、

ここまでひどくはなかったんです。

 

とくに海沿いで横風がキツイ環境だと

両手でステアリングをがっちり握っていても

車線内にとどまっているのが厳しいぐらい。

ノーマルにはノーマルの良さがあると考えている僕でも、

このふらつき感はさすがにストレスMAXでした。

 

風向きや風の強さを知るため、湾岸沿いを走る高速道路などで設置されている吹き流し。このように真横を向いたような状態なら、80㎞/h程度の巡航状態でも隣の車線まで飛ばされてしまうような恐怖感との戦いでした。風を受けやすいボディ形状に加えて、フロントヘビーな2WDで駆動輪の荷重不足が原因でしょう。

 

 

 

で、自分なりにフラつく原因を日々思案。

過去にフルノーマルの4WDで走行した時は

それほどふらつき感を感じなかったことから、

リーフスプリング採用でストロークの少ないリヤ足まわりは

フル積載やフル乗車など荷重がかけられていない状態だと

横風などの影響を簡単に受けて

満足なトラクション(=駆動力)が引き出せていないと判断しました。

 

 

荷物なし、乗車なしのノーマル車高でリヤから撮影。前下がりな車高バランスが示すように、車検証ではフロント軸重1130㎏、リヤ軸重850㎏。これだけフロントヘビーなら、単独乗車時に横風の影響なんかでトラクションが抜けて簡単にフラつくはずです。

 

 

 

トラクション強化に効果的なアイテムとは?

 

ふらつき感は早々になんとかしたいけど、

さすがにトラクションが足りないからと

不要な荷物積んでリヤ荷重かけるのもナンセンス。

 

ワゴンGLならリーフスプリングがバンよりも柔らかいので

ダンパーやリーフ交換といった足まわりのカスタムへ踏み込むのも

問題解消から少しズレている気が……。

 

となれば、根本的問題になっているトラクションを強化すればいい。

そこで頭に浮かんだのは、機械式LSDの存在でした。

 

FRである2WDで簡単に説明すると

エンジンからミッション、

そしてプロペラシャフトを介して伝わってきた動力は

ホーシング中央にあるディファレンシャルギヤ(=デフ)で

左右輪へと分配されます。

 

ディファレンシャルギヤが収まっているのは、スペアタイヤ前方に位置しているホーシング中央の膨らみ部分。ATに接続されているプロペラシャフトから伝達された動力がディファレンシャルギヤを介して左右輪へと分配されている。

 

 

 

このディファレンシャルギヤの役目は

左右輪の動力分配だけではなく、

コーナリングなどで内外輪に生じる回転差の吸収もあり。

純正ではオープンデフと呼ばれる構造が与えられていて

大きくステアリングを切り込むようなシーンでも

左右輪の大きな回転差をオープンデフが吸収し

スムーズな走りを実現してくれるんですね。

 

純正で採用されているオープンデフ。シンプルな構造でコーナリングなどで左右輪へ生じる回転差を吸収してくれる優れモノだが、段差で片側だけタイヤが浮いたような状態や悪路で片輪だけスリップしてしまうと接地しているタイヤを駆動させられないトラクション弱さがある。

 

 

ただ、このオープンデフは

構造的にトラクション不足となってしまいます。

そこでトラクションを重視するスポーツ系モデルなどでは

左右輪の回転差吸収機能を備えつつ、

必要な時には左右輪をロックしてトラクションを高める

機械式LSDがメジャーアイテムとなるワケです。

 

そういえば、過去に走り系のクルマを所有していた時には

必ず最優先で機械式LSDを投入していました。

当時はコーナーで速く走ることしか考えていませんでしたが、

今思い返してみると

ストリートで片輪だけハイドロプレーニングするようなシーンでも

たいした挙動不安を感じることなく

グイグイ前に進んでくれていた記憶が甦ります。

 

つまり、機械式LSDでトラクションが強化されると

直進安定性や走破性が引き上げられます。

200系バンの4WD・リヤのみですが

メーカーオプションで機械式LSDが用意されているのも

トラクション強化で走破性を高めるのが狙いです。

 

というワケで、

ストレスの元だったふらつき対策に必要なのは

トラクション強化につながる機械式LSDと確信しました。

 

次回のブログでは

■200系向け機械式LSDの吟味

■セーフティセンス装着車に機械式LSDはNG!?

■機械式LSD投入後のインプレッション

を紹介していきますので、ご期待ください。

 

Kカーからトラックまでチューニング、ドレスアップ問わずにカスタムされた乗り物大好きなフリーライター。カスタムは楽しければOK、1+1=2ではなく0にも4にもなるのがクルマいじりの魅力だと考えています。今回マイカーとして購入した200系では、いちオーナーとして気になるアイテムがどうなのかや不満&疑問解決なんかに取り組んでみます。「こんな不満を解消するにはどうしたらいいの?」とか「このアイテムが気になるからわかりやすく知りたい」といったリクエスト、絶賛受付中!

四馬力

 

info@yonbariki.com

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